らふえる訪看ICT活用日記

訪問看護業務ICT化について日々の実践から綴ります。

コロナ対策:直行・直帰のノウハウ➇ 車どうする?

直行・直帰において問題となるのが、移動に不可欠な車です。

都市部は自転車かもしれませんが、田舎は車がないと訪問看護はできません。

普段は訪看所有の車で仕事していても、直行・直帰となると、車どうする?ということになります。

らふえる訪問看護ステーションでは、基本個人の車で仕事をしています。その際、保険契約がレジャーや通勤のみだと、仕事中の事故は補償されない場合があります。そこで、個人の車であっても営業用に契約を変更してもらい、契約変更で保険料が高くなった差額を法人が負担することにしています。

個人が契約している保険会社によって補償も変わるので、補償内容の確認も必要です。

どうしても個人の車を使いたくない人は、ステーションに来て乗り換えているので、直行・直帰というわけにはいかないですが、本人の考え方を尊重することが大切です。

 

コロナ対策:直行・直帰のノウハウ⑦ なぜ今直行・直帰?

東京を中心とした首都圏は、新型コロナウイルス感染のオーバーシュートの危機が迫っている重大な局面とのこと。

訪問看護ステーションは感染したら重症化リスクの高い人々を対象としているので、感染予防には真剣に取り組む必要があります。

利用者から「(ウィルスを)持ち込むのはあなたたち(訪問看護師)だよね」と言われたという話を聞きました。だからこそ、しっかり対策しなければなりません。

もし、訪問看護ステーションの職員に感染者や濃厚接触者が出たら、営業休止になる可能性があります。それを回避する唯一の手段が直行・直帰です。

らふえる訪問看護ステーションでは、直行・直帰に加え、ステーションに立ち寄った時間を記録し、もし感染者や濃厚接触者が出ても、働ける職員を確保して営業停止にならないよう工夫しています。

人と人が距離を置かねばならない状態はとても悲しく、つらいことですが、私たち訪問看護師を必要とする人々を守るために、今、直行・直帰は緊急の課題です。

コロナ対策:直行・直帰のノウハウ⑥ 職員の戸惑い、不安

昨夜、東京では都知事が週末外出自粛要請をしたり、オリンピックが延期になったり、コロナ感染拡大で、世の中は落ち着かない状態です。個人的にもなんとなくソワソワしていますが、さらに私たち医療職は緊張感を強いられています。

その上、突然訪問看護を直行・直帰でやるよ~~と言われて、職員はどのように思っているでしょうか?

朝、定時に出勤しなくていいので楽だし、休校中の子供の世話もできる、ラッキーと喜ぶ半面、戸惑いや不安も大きいと思います。

らふえる訪問看護ステーションでは直行・直帰が定着していますが、それでも1日1回はステーションに来ないと落ち着かないという人がいます。

直行・直帰でストレスを抱えてしまう人は、誰かの指示がないと動けない、自分1人で判断することが苦手、ちょっとしたミスを引きずる・・・これは、特別なだめ子さんではなく、訪問看護の経験が浅い時期に誰もが通過することなので、この段階にある人には配慮が必要です。

今回は感染拡大の緊急事態のために、やむを得ず直行・直帰にしている場合が多いと思います。管理者は2重、3重にストレスを抱えている職員に気を配ってあげてください。

コロナ対策:直行・直帰のノウハウ⑤ 気になる職員の動向

今日もらふえる訪問看護ステーションは管理者の林1人で電話番?です。直行・直帰でも、15時位になると誰かしらやってきて、結構にぎやかですが、最近はコロナ感染対策でほとんど誰も来ません。

直行・直帰で管理者が気になるのは職員の動向です。まさかサボってる?なんて思いませんが、スケジュール通りに訪問できているか、何かトラブルは起きていないか、また、訪問が無い時間帯にどこでどのように過ごしているかも気になります。本当に気にしだしたらキリがありません。直行・直帰でなければ、昼休みにはステーションに職員が帰ってくるので午前中の業務の確認ができたと思いますが、それが無いと管理者は不安になります。

これもコミュニケーションで解決するのではないでしょうか?訪問が1件終わる度に報告するのは面倒ですが、午前と午後の業務が終わったら、MCSでひとこと報告するなど仕事が順調に進んでいることを管理者が把握できる方法を考えるとよいと思います。

結局のところは管理者がどこまで割り切れるかであり、職員を信頼して任せられるかということです。

労務管理上は、移動時間や訪問していない時間帯(待機時間帯)を勤務時間とみなすかどうかという問題もあります。これもその時間帯に記録整理など業務をしていたことが証明されれば解決することなので、業務終了時に報告させるか、各自に業務日誌をつけさせるかという工夫も必要かと思います。らふえるではソフトに入力することで勤怠管理をしています。今はコロナ対策の緊急時なので、あまり面倒なことは考えなくてもいいと思いますが・・・職員間で不公平感が出ないように管理者は配慮する必要があると思います。

ステーションの設置法人の勤怠管理のルールには、直行・直帰にそぐわないことも多いと思いますが、今はコロナ対策が最優先です。いつもは法人の方針に従わねばならないことで思うようできない働き方改革の体験ができるチャンスです。らふえる訪問看護ステーションでは直行・直帰で働くことで、職員の自主性、自律性が向上したように思われます。

災い転じて福となす・・・働き方改革のチャンスです!

 

コロナ対策:直行・直帰のノウハウ④ 訪問スケジュールの伝達は?

訪問看護活動の要となるのはスケジュール管理ではないでしょうか。

約束の時間に看護師が来ることが、利用者の安心となり、信頼につながるのです。

ホワイトボードに日々のスケジュールを書きだし、朝のミーティングで確認してから、訪問に出かけて行くというのが、多くの訪問看護ステーションのやり方だと思います。直行・直帰だと、職員は今日のスケジュールを確認できないので、なんらかの方法で伝える必要が出てきます。

この訪問スケジュールは厄介者で、しょっちゅう変更があります。この変更もタイムリーに伝えなければなりません。

らふえる訪問看護ステーションでは、独自に開発したソフトを使っていますが、以前はEXCELで1週間ごとのスケジュールを作成し変更がある度にMCSにアップしていました。この仕事は管理者にとって、大変な作業ですがMCSを活用すればタイムリーに変更が伝達できると思います。ホワイトボードを写真にとってMCSにアップすることもできます。職員には訪問の合間にMCSにアクセスする習慣をつけてもらうことも必要です。

コロナ感染対策で職員に直行・直帰させる場合、管理者は司令塔としてなるべくステーションにいるべきだと思います。スケジュールの変更も増えるかもしれないし、職員がどこで感染者に接触するかもわかりません。緊急に訪問先を変更するなどの対応も必要です。ステーションに司令塔がいるから、職員は安心して直行・直帰できると思います。

コロナ対策:直行・直帰のノウハウ③ コミュニケーションに不可欠なスマホ

ライフワークバランス目的ではなく、コロナ感染のリスク回避のために訪問看護を直行・直帰で実施しなくてはならない状況で、何からお伝えすればいいのか私自身も整理がつかないので、思いつくまま書いていきます。

直行・直帰ではコミュニケーションの仕組みを考えないと、職員の不安、ストレスが増すと②で書きました。コミュニケーションにはインターネットができるモバイル機器(スマホタブレット)が不可欠です。

らふえる訪問看護ステーションでは、職員全員に業務用スマホを配っています。通信料は1台あたり月5000円程度です。しかし、この緊急時に業務用スマホを契約するのは大変なので、個人のスマホまたはタブレットでも大丈夫です。ただしガラ系携帯はMCSやLINEが使えません。

ここで気になるのが、セキュリティです。②でも書いたように、MCSはデータはクラウド管理なので、手元のデバイスにはデータは存在しません。スマホにはロックをかけ、ID、PWの管理をキチンとすれば個人情報がもれる心配はありません。

職員をMCSに登録する方法ですが、らふえる訪問看護ステーションでは仕事専用のメールアドレスをgmailで作成して、このアドレスでMCSにスタッフ登録し、アクセス時のIDとしています。(つづく)

 

コロナ対策:直行・直帰のノウハウ② コミュニケーションの工夫

新型コロナウイルス感染拡大予防のために、人々が物理的な距離を取らざるを得ない状況の中で、ICTは人と人をつなげる役割を果たしています。

直行・直帰による孤独感はコミュニケーションを工夫することで、その問題はほとんど解決します。

らふえる訪問看護ステーションは、メディカルケアステーション(MCS)、LINE、メール(PCまたは携帯)、電話などあらゆるコミュニケーション手段を使っています。今すぐかつ確実に伝えたい場合は電話、個人情報を含まない業務連絡はLINE、時間のある時に見てもらえばいい程度のものはMCS、個人的な相談はメールやMCSの「つながり」という具合に情報の内容や緊急度に応じてコミュニケーション手段を選択しています。特にMCSは全体に情報が伝わるので便利です。

らふえる訪問看護ステーションでは、電子カルテを導入していないので看護記録も含めあらゆる情報をMCSに投稿し全員で情報を共有しています。

MCSはいつでもアクセスできるため、夜中でもアクセスする人がいます。家庭を持っている看護師は「主婦は家事が一段落するとMCSを見てしまう」と言います。これを容認していると仕事とプライベートの区別がつかなくなり、さらに情報を見逃したらという不安からストレスが生じます。

投稿すると時間が記録されるので、内容が仕事に関する場合は時間外勤務となります。社労士の話では時間外手当を支払わなければならない場合もあるとのことです。

そこで、らふえる訪問看護ステーションでは、夜の8時から翌朝5時までMCSのアクセスを禁じています。

MCSのようなICTはセキュリティを心配される方もいると思いますが、情報はクラウドに保管されているので、手元にあるスマホやPCに個人情報などのデータは存在しません。MCS専用の職場のパソコンやタブレットを準備しました・・・という話を聞きますが、それはナンセンス。クラウドのサーバーを管理しているMCSの運営会社がしっかりセキュリティ管理をしているので大丈夫です(ただし世の中100%安心はありませんが)。手元にあるデバイスでどこでも、いつでもアクセスできなければ意味ありません。IDとPWの管理さえきちんとしていれば大丈夫です。

テレビで外出禁止令が出ている海外のことを報じている横で、このブログを書いています。パンデミックによる首都閉鎖・・・東京の話?茨城県は大丈夫?闘いはこれからだ!