訪問看護運営改革

ICTを活用した訪問看護の運営を提案します。

命を守るための矛盾と葛藤

政府はいよいよ緊急事態宣言を出す決意をしたようだ。

報道では在宅医療や介護に関することは全く触れられていなかったが、らふえる訪問看護ステーションでは、本日、利用者に対して緊急事態宣言が出たときの対応方法(4/4のブログ見てください)について通知した。ほとんどの利用者の訪問を休止し、定期的な電話で対応することにした。いかなる状況であっても利用者が看護を必要としていることは変わらないのだが、地域を動き回る訪問看護師が知らない間に感染してウィルスを運ぶリスクは高く、利用者の警戒心も増している。

重症化リスクの高い高齢者のほとんどは、世話をしてもらうことが必要で人と接触しないわけにはいかない。3密を避けろと言われても、狭い室内で、耳元で大声で話し、体にも触れなくてはならない。

利用者の命を守るために、手を差し伸べるのではなく、引っ込めなければならない・・・という矛盾をどのように理解していけばいいのだろう? こんなことをして訪問看護への信頼を損なうことにならないだろうか? でも、私(看護師)が感染源になったらアウトだ。

緊急事態宣言の対象地域に茨城県は含まれていないので、訪問自粛をいつから開始するか決めかねているが、ここ数日の感染者の増加をみていると油断はできない。

ぎりぎりまでがんばって、今週中には決断かな? 決断しても葛藤は続く・・・

コロナ感染拡大の背後にある在宅医療崩壊にも気づいて欲しい

今日は外出自粛で一日家にいた。テレビでは朝からコロナ関係の報道が流れていたが、感染者の急増に伴う医療崩壊の話題が強く訴えられていた。

病院の医療崩壊は深刻な問題だと思うが、訪問看護に従事している者としては在宅医療はどうするんだというモヤモヤが広がるばかりだ。

訪問看護の利用者にはバルンカテ管理が必要な人もいる、自力で便を出せない人もいる、自宅で看取りの時期を迎えている人もいる。独居で認知症がある人には私たちがお薬をセットしてあげないとちゃんと服薬できず状態が悪化してしまう。インスリン注射が必要な人もいる。感染が蔓延しても訪問看護のニーズが減ることはない。

けれども訪問看護は地域内を動き回るので、どこで感染するかわからず、訪問看護師がウィルスを運んでくると警戒され、しばらく休止してほしいという連絡も増えてきた。

訪問看護ステーションでは、自分たちが感染源にならないように、看護師同士の接触を減らす働き方を工夫したり、訪問回数や滞在時間を減らしているが、仕事量の減少は経営を直撃している。緊急事態宣言が出れば利用者をトリアージし訪問を縮小しなければならないし、さらに職員に感染者が出れば営業休止せざるを得ない。訪問件数の減少は収入の激減につながる。コロナ感染が収束するまでに、経営基盤が脆弱な訪問看護ステーションは持ちこたえることができるだろうか?

コロナ感染が起きる前は在宅医療はわが国の重要課題として扱われ、訪問看護はその要だと期待されていたはずなのに、今は消毒用エタノールも確保できず、マスクは手作りで、やっと国から配布されたのは感染防御力が全くない布マスクが1枚ずつ・・・(訪問看護ステーションは医療機関のはずだが・・・?)。

我が国の高齢化と介護の問題はコロナ感染拡大に影が薄くなっているようだが、現実は深刻な問題として遷延している。コロナ感染による医療崩壊の背後で、在宅医療の崩壊が進行していることにも気づいて欲しい。

コロナ対策と管理者の責任

連日、コロナの感染者が増えており、緊急事態宣言がでるのも時間の問題かと・・・

らふえる訪問看護ステーションでは、このような事態になった時に慌てすに対処できるように、2月中から対応策を検討し、職場内だけでなく、利用者、ケアマネ、主治医など関係者にも発信してきました。

対応策を早めに打ち出したのは、感染が拡大しても訪問看護ステーションとしての機能を維持し、利用者を守るためです。

2月中旬には利用者に「新型コロナウイルス感染症拡大をふせぐためにお願いしたいこと」という文書を送付し訪問前の検温をお願いし、37.5℃以上の発熱があった場合の対応(厚労省が出した相談基準)と、らふえる訪問看護ステーションの対応方法を明確にしました。

同時に、以下のような内容のコロナ感染予防マニュアルを作成し職員に周知しました。

  • 始業に検温し報告(MCS利用)する
  • 直行・直帰の徹底
  • ステーションに来た場合は滞在時間を記録する
  • 訪問時、利用者に37.5℃以上発熱あった場合の対応方法を理解し、統一した行動をとる(利用者への通知を理解する)
  • スタンダードプリコーション実行の徹底

3月中旬に茨城県に感染者が発生。今後、職場内で感染者が発生して営業休止になったり、緊急事態宣言が出て活動に制限が出た場合を予測して、利用者のトリアージをおこないました。グループに分けることで、事前に家族への指導やケア関係者との連携など準備ができます。赤グループの利用者はケア手順を作成し、もし他の訪看に代わってもらうことがあっても困らないよう準備ができています。

  • 赤グループ・・・医療的ケアの継続が必要
  • 黄グループ・・・訪問は中止して定期的に電話で状態を確認する
  • 緑グループ・・・訪問は中止して異常があった場合に利用者から電話してもらう

非常事態宣言が出そうなタイミングを見計らって、利用者にはどのグループになっているか通知する予定です。あまり早く通知すると、重要な事と捉えてもらえなかったり、逆に不安や混乱を招く可能性があると考えているからです。このタイミング、以外と難しいかも・・・(安倍総理・・・どうするんだ~ぁ)

なぜ、こんな風に早めに手を打っているか・・・それは職員がこの非常事態でも、平常心で仕事ができるようにするためです。事態に変化があった時、とるべき行動がはっきりしていれば、不安にならず、パニックにならず、利用者を守ることができます。

訪看管理者の責任とは、こういうことだと思います。

コロナ対策:直行・直帰のノウハウ➇ 車どうする?

直行・直帰において問題となるのが、移動に不可欠な車です。

都市部は自転車かもしれませんが、田舎は車がないと訪問看護はできません。

普段は訪看所有の車で仕事していても、直行・直帰となると、車どうする?ということになります。

らふえる訪問看護ステーションでは、基本個人の車で仕事をしています。その際、保険契約がレジャーや通勤のみだと、仕事中の事故は補償されない場合があります。そこで、個人の車であっても営業用に契約を変更してもらい、契約変更で保険料が高くなった差額を法人が負担することにしています。

個人が契約している保険会社によって補償も変わるので、補償内容の確認も必要です。

どうしても個人の車を使いたくない人は、ステーションに来て乗り換えているので、直行・直帰というわけにはいかないですが、本人の考え方を尊重することが大切です。

 

コロナ対策:直行・直帰のノウハウ⑦ なぜ今直行・直帰?

東京を中心とした首都圏は、新型コロナウイルス感染のオーバーシュートの危機が迫っている重大な局面とのこと。

訪問看護ステーションは感染したら重症化リスクの高い人々を対象としているので、感染予防には真剣に取り組む必要があります。

利用者から「(ウィルスを)持ち込むのはあなたたち(訪問看護師)だよね」と言われたという話を聞きました。だからこそ、しっかり対策しなければなりません。

もし、訪問看護ステーションの職員に感染者や濃厚接触者が出たら、営業休止になる可能性があります。それを回避する唯一の手段が直行・直帰です。

らふえる訪問看護ステーションでは、直行・直帰に加え、ステーションに立ち寄った時間を記録し、もし感染者や濃厚接触者が出ても、働ける職員を確保して営業停止にならないよう工夫しています。

人と人が距離を置かねばならない状態はとても悲しく、つらいことですが、私たち訪問看護師を必要とする人々を守るために、今、直行・直帰は緊急の課題です。

コロナ対策:直行・直帰のノウハウ⑥ 職員の戸惑い、不安

昨夜、東京では都知事が週末外出自粛要請をしたり、オリンピックが延期になったり、コロナ感染拡大で、世の中は落ち着かない状態です。個人的にもなんとなくソワソワしていますが、さらに私たち医療職は緊張感を強いられています。

その上、突然訪問看護を直行・直帰でやるよ~~と言われて、職員はどのように思っているでしょうか?

朝、定時に出勤しなくていいので楽だし、休校中の子供の世話もできる、ラッキーと喜ぶ半面、戸惑いや不安も大きいと思います。

らふえる訪問看護ステーションでは直行・直帰が定着していますが、それでも1日1回はステーションに来ないと落ち着かないという人がいます。

直行・直帰でストレスを抱えてしまう人は、誰かの指示がないと動けない、自分1人で判断することが苦手、ちょっとしたミスを引きずる・・・これは、特別なだめ子さんではなく、訪問看護の経験が浅い時期に誰もが通過することなので、この段階にある人には配慮が必要です。

今回は感染拡大の緊急事態のために、やむを得ず直行・直帰にしている場合が多いと思います。管理者は2重、3重にストレスを抱えている職員に気を配ってあげてください。

コロナ対策:直行・直帰のノウハウ⑤ 気になる職員の動向

今日もらふえる訪問看護ステーションは管理者の林1人で電話番?です。直行・直帰でも、15時位になると誰かしらやってきて、結構にぎやかですが、最近はコロナ感染対策でほとんど誰も来ません。

直行・直帰で管理者が気になるのは職員の動向です。まさかサボってる?なんて思いませんが、スケジュール通りに訪問できているか、何かトラブルは起きていないか、また、訪問が無い時間帯にどこでどのように過ごしているかも気になります。本当に気にしだしたらキリがありません。直行・直帰でなければ、昼休みにはステーションに職員が帰ってくるので午前中の業務の確認ができたと思いますが、それが無いと管理者は不安になります。

これもコミュニケーションで解決するのではないでしょうか?訪問が1件終わる度に報告するのは面倒ですが、午前と午後の業務が終わったら、MCSでひとこと報告するなど仕事が順調に進んでいることを管理者が把握できる方法を考えるとよいと思います。

結局のところは管理者がどこまで割り切れるかであり、職員を信頼して任せられるかということです。

労務管理上は、移動時間や訪問していない時間帯(待機時間帯)を勤務時間とみなすかどうかという問題もあります。これもその時間帯に記録整理など業務をしていたことが証明されれば解決することなので、業務終了時に報告させるか、各自に業務日誌をつけさせるかという工夫も必要かと思います。らふえるではソフトに入力することで勤怠管理をしています。今はコロナ対策の緊急時なので、あまり面倒なことは考えなくてもいいと思いますが・・・職員間で不公平感が出ないように管理者は配慮する必要があると思います。

ステーションの設置法人の勤怠管理のルールには、直行・直帰にそぐわないことも多いと思いますが、今はコロナ対策が最優先です。いつもは法人の方針に従わねばならないことで思うようできない働き方改革の体験ができるチャンスです。らふえる訪問看護ステーションでは直行・直帰で働くことで、職員の自主性、自律性が向上したように思われます。

災い転じて福となす・・・働き方改革のチャンスです!