らふえる訪看ICT活用日記

訪問看護業務ICT化について日々の実践から綴ります。

訪問看護サミット2019

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12月6日に横浜で開催された「訪問看護サミット2019」に行ってきました。

今年は日本看護協会開催の「日本看護サミット2019」と共催ということで、参加者は約3000名を越えたとのことです。

医療の在宅シフトにより看護師の役割や活躍の場も地域に拡大していくことが強調されていましたが、訪問看護で働く看護師の割合は3%にも及ばない状態。ここにものすごい期待がかけられています。(大丈夫かい、私たち?)

訪問看護ステーションは訪問看護のステーションではなく、地域の看護ステーションという考え方には賛成。訪問看護だけでなく、地域住民の「生きる」を支える役割を担う事業ができれば地域包括ケアの要として胸を張ることができそう。(できることから始めよう、健康相談とかはできる!)

だからと言って、訪問看護ステーションが機能を拡大することにはリスクも伴う。看多機という事業形態が始まった時に私はワクワクしたが、バックに大きな組織をもたない訪問看護ステーションはちょっと無理と思いました。

点滴指示がでたり、褥瘡の集中処置が必要時など、短期間ステーションに泊まっていただくようなことはできるかもしれませんが、介護事業やディサービスなども併設しなければならないとなると資金的にまずアウト。

理想と現実・・・個人レベルでも国家レベルでもこのギャップあまりにも大きい!

震度4を2日続けて体験して・・・

一昨日と昨日、立て続けに関東北部を震源とする地震が発生し、土浦市でも震度4でした。

折しも、NHKでは地震の特集を4日連続で放送しており、それと重なって危機感が募りました。

茨城県東日本大震災の時も大きな揺れを体験し怖い思いをしたはずなのに、怖さを忘れている自分がいました。災害は忘れたころにやって来るといいますが、怖いことは早めに記憶から消去したいというのは人間の本能なのかもしれません。

さて、訪問看護をしている最中に大きな地震がきたらどうしましょう?

いろいろな対策を考えても、すべて空想の世界で、実際に地震が来た時に役に立つかどうかわかりません。

それでも、できる備えから始めるしかないと思います。

らふえる訪問看護ステーションでは、こんなことから始めています。

  • 緊急時の連絡方法と各々の役割を明確にすること
  • ガソリンはいつも満タン状態すること
  • 折に触れ(例えば大きめの地震があった後とか台風が来た後など)家族やご本人と話し合い、日頃から災害時の対応をできるようにする。

出来ることから、積み重ねていくことが大事だと思っています。

 

直行・直帰で働く時のコミュニケーション

直行・直帰で一番問題になることがスタッフ間のコミュニケーションです。

朝のミーティングがないので、一日の仕事の計画はひとりで考えなければなりません。

訪問先で困ったことがあっても、すぐに相談することもできません。

解決方法としては、メールやSNSのようなコミュニケーションツールを使うことです。

らふえる訪問看護ステーションでは、メディカルケアステーション(MCS)という医療介護専用SNSを活用しています。職場内だけでなく、医師やケアマネ、薬剤師など地域連携にも使えます。患者本人や家族も利用可能。とても便利なツールですが、なんと無料!

MCSを利用してから、ミーティングを開催するよりもスタッフの情報量は増えているように思います。

 

https://www.medical-care.net

 

 

直行・直帰では訪問予定はどうやって確認?

訪問看護では、利用者宅に訪問するスケジュール表がないと仕事ができません。しかも、キャンセルや変更は日常茶飯事でスケジュール表は1日のうちでも何回も変更されます。

直行・直帰を始めたころは、管理者がエクセルでスケジュール表を作成し、これをクラウドにのせて、職員のパソコンやスマホで確認できるようにしていました。但し、変更があるたびタイムリーに更新することが困難でした。手作業なので入力ミスはないかと、1日中、暇さえあればスケジュール表とにらめっこしていました。

そこで、スケジュール管理をIT化できないかと、プログラマーに相談して開発したのが業務管理ソフトTELESAです。開発には2年以上かかりました。このソフトにはスケジュール自動作成機能もあるので、1ヶ月分のスケジュールは前後の手作業を含めても1~2時間程度で完了。その後は、いつでも、どこでも、だれでもスマホタブレットで訪問予定の変更ができるようになっています。キャンセルなどの情報を得た職員が、その場で変更入力を行います。訪問先で予定変更の希望が出た時も、ステーションに持ち帰ることなく、その場で利用者の都合を聞きながら変更できます。職員全員の目で見ているので、入力ミスも早期発見、直ちに修正でき、信頼性の高いスケジュール表となっています。朝、ステーションに出勤しなくても、1日のスケジュールの確認ができるのは、このソフトのお陰です。

スケジュール表を共有するということは、職員全員の動向が把握でき、自分が担当していない利用者の訪問状況もわかるので、ステーションの運営に管理者だけでなく、全員で関わるという意識が根付いてきました。急に予定がキャンセルになった時に、「からだ空いたけど、手伝おうか?」とケアが多くて大変そうな訪問先に、自主的にヘルプに入ったりすることもできます。そして、管理者はスケジュール管理から解放され、今まで後回しにしていた仕事もできるようになりました。

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ふれあい茶屋笑み気分 11月

毎月、第4金曜日に公民館で、ふれあい茶屋笑み気分を開催しています。
市の委託事業です。
今月はパステル画で年賀状を作りました。
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後半は楽器が得意な参加者さんと看護学生さんの共演ミニコンサートで、みんなで秋の歌を歌いました。
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訪問看護を地域に根付かせるためには、このような活動にも積極的に取り組む必要があると思います。

直行・直帰のデメリット

直行・直帰のお話の続きです。

訪問先に自宅から出向いて、仕事が終わったらそのまま帰宅してもいいよ、と言われると、とても魅力的な職場のように思われるかもしれません。

しかし、朝だれとも打ち合わせせずに、一人で情報収集して計画を立て、利用者宅へ出向くというのは、訪問看護の経験が豊富で自信満々でない限り、とても不安なことではないでしょうか?ただでさえ訪問看護は単独行動で孤独な仕事なのに・・・。

また、経営側からみると直行・直帰は勤務時間をフル活用して、訪問件数を増やすことが可能ですが、こんなことされたら働く側にとっては訪問件数をこなすことに追われくたくたになってしまうかもしれません。

 このように、訪問看護に直行・直帰を導入してみたらメリットだけでなくデメリットもあり、決して「夢の働き方」とは言えないことがわかりました。そこで問題を整理してみると4つの課題が見えてきました。

  • 管理者や職員同士のコミュニケーションが希薄になる=職務連携の課題
  • 日々変更が多い訪問スケジュールの伝達が難しい=日々の業務運営の課題
  • 業務報告と情報の共有が難しい=情報共有の課題
  • 職員の業務動向が見えない=勤怠管理の課題

らふえる訪問看護ステーションではICTを積極的に活用して、これらの課題を解決してきました。

改善と改革の違い

働き方改革という言葉が、とても安易に使われているように感じる。

残業を無くすとか、有給を必ず5日取らせるとかは、単なる働き方改善。

現実はサービス残業が増えたという愚痴となる。

 

働き方を改革するには、仕事のやり方や役割分担の見直しから変えることが必須。

なぜ改革するのか、目的、目標も職員のコンセンサス無しでは絵に書いた餅となる。

全てハッピーな改革はあり得ないのだから、痛みも伴う。

 

職員自身もライフスタイルの何処に価値を置くか、ちゃんと考えないとライフワークバランスの取り方がわからない。働き方改革は当事者の意識改革から取り組まなくてはならないということです。

 

らふえるは、真の働き方改革を模索中です。