らふえる訪看ICT活用日記

訪問看護業務ICT化について日々の実践から綴ります。

ふれあい茶屋笑み気分 11月

毎月、第4金曜日に公民館で、ふれあい茶屋笑み気分を開催しています。
市の委託事業です。
今月はパステル画で年賀状を作りました。
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後半は楽器が得意な参加者さんと看護学生さんの共演ミニコンサートで、みんなで秋の歌を歌いました。
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訪問看護を地域に根付かせるためには、このような活動にも積極的に取り組む必要があると思います。

直行・直帰のデメリット

直行・直帰のお話の続きです。

訪問先に自宅から出向いて、仕事が終わったらそのまま帰宅してもいいよ、と言われると、とても魅力的な職場のように思われるかもしれません。

しかし、朝だれとも打ち合わせせずに、一人で情報収集して計画を立て、利用者宅へ出向くというのは、訪問看護の経験が豊富で自信満々でない限り、とても不安なことではないでしょうか?ただでさえ訪問看護は単独行動で孤独な仕事なのに・・・。

また、経営側からみると直行・直帰は勤務時間をフル活用して、訪問件数を増やすことが可能ですが、こんなことされたら働く側にとっては訪問件数をこなすことに追われくたくたになってしまうかもしれません。

 このように、訪問看護に直行・直帰を導入してみたらメリットだけでなくデメリットもあり、決して「夢の働き方」とは言えないことがわかりました。そこで問題を整理してみると4つの課題が見えてきました。

  • 管理者や職員同士のコミュニケーションが希薄になる=職務連携の課題
  • 日々変更が多い訪問スケジュールの伝達が難しい=日々の業務運営の課題
  • 業務報告と情報の共有が難しい=情報共有の課題
  • 職員の業務動向が見えない=勤怠管理の課題

らふえる訪問看護ステーションではICTを積極的に活用して、これらの課題を解決してきました。

改善と改革の違い

働き方改革という言葉が、とても安易に使われているように感じる。

残業を無くすとか、有給を必ず5日取らせるとかは、単なる働き方改善。

現実はサービス残業が増えたという愚痴となる。

 

働き方を改革するには、仕事のやり方や役割分担の見直しから変えることが必須。

なぜ改革するのか、目的、目標も職員のコンセンサス無しでは絵に書いた餅となる。

全てハッピーな改革はあり得ないのだから、痛みも伴う。

 

職員自身もライフスタイルの何処に価値を置くか、ちゃんと考えないとライフワークバランスの取り方がわからない。働き方改革は当事者の意識改革から取り組まなくてはならないということです。

 

らふえるは、真の働き方改革を模索中です。

 

 

 

 

 

 

 

 

直行・直帰のメリット

訪問看護における直行・直帰とは、朝、ステーションに通勤せずに自宅から利用者宅へ直行することであり、1日の訪問スケジュールが終了したら、そのまま自宅に帰るという働き方のことです。訪問のない時間の待機場所も自由なので拘束感が少なく、一見夢のような働き方のように思われますが、この働き方が経営者や管理者と職員双方にとってメリットとなるためには、いくつかのハードルをクリアする必要があります。

 

 経営者・管理者側のメリットとして考えられることは・・・

  • 営業時間を時間いっぱい使って定時訪問を組めるので、一日の訪問件数を増やすことができる。
  • ステーションに出勤する交通費を節約できる。
  • ステーションに人が集まって来ないので広い作業スペースが必要なく、家賃、光熱費などが節約できる。
  • 直行・直帰だと自分の車を使うことになるので、営業車を保有する必要がなく、その経費が節約できる。
  • ライフワークバランスが保てるので退職者が減り雇用が安定し、就職希望者も増え、ステーションの規模を拡大することができる。
  • 職員の自宅を中心に訪問先を決められるので、ステーションから遠いところまで営業範囲を拡大し、契約数を増やすことができる。

 職員側のメリットとして考えられることは・・・

  • 朝、あわただしく出勤しなくてもよい。
  • 1日の訪問スケジュールが終了したら、そのまま帰宅できるので保育園や塾の送迎に無理がない。
  • 日中の待機時間は自宅に戻って作業したり、休憩時間にあてることができる。
  • ライフワークバランスの調整が上手くいく。
  • 気分的に拘束感がない。

(つづく)

らふえる訪問看護ステーションの一日の始まり(直行・直帰制)

11月11日月曜日 午前8時30分 始業開始のらふえる訪問看護ステーションの様子です。

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週明けの朝というのに、だれもいません・・・

らふえる訪問看護ステーションでは直行・直帰制を導入しているので、朝のミーティングはいたしません。

朝、メディカルケアステーションという医療介護専用SNSで、管理者が一日のスケジュールと業務に関する伝達事項を発信します。訪問予定はTELESAという業務管理システムでどこにいても確認できます。

これまでに、訪問時間や訪問先を間違えたというようなミスはなく、利用者に関する情報交換も緊密に行われています。

直行・直帰の経験者は、これは決して楽な仕事の仕方ではないと言います。各人が自分に必要な情報を収集し、一日の仕事の段取りを行なわなければなりません。プロとしての自覚と信頼関係によって実現する仕事の仕方だと思います。

 

それにしても、朝は管理者が1人だけ出勤しているので、ちょっと寂しい(?)

 

 

 

 

「訪問看護運営改革」というブログを始めるにあたり・・・

 私は筑波大学で看護教育に携わっていましたが、2011年に大学を退職し、一念発起して訪問看護ステーションを設立しました。動機は人生最終章の看護師人生を臨床で過ごしたいという単純なことでしたが、折しも我が国は少子高齢化の真只中にあり在宅医療のニーズの高まりとともに、訪問看護の役割が重視されるという時期に重なりました。

 おかげで訪問看護という仕事を通して、人々の生活とそれを取り巻く社会の仕組みについて多くのことを学びました。また訪問看護に看護の原点があることにも気づかされましたし、看護師が専門職として社会的にも経済的にも自立するチャンスがここにあると考えるようになりました。

 実際に訪問看護ステーションを運営してみると、さまざまな課題が見えてきました。これらの課題を解決していかないと、ますます高まる需要に追いついて行けないという危惧も感じるようになりました。このブログでは、私がらふえる訪問看護ステーションを開設してから今日にいたるまでの試行錯誤について記していきたいと考えています。

 訪問看護ステーションは地域や設置主体(法人)によって運営方法に違いがあります。らふえる訪問看護ステーションは茨城県土浦市にあり、市街地域と農村地域が混在しており、移動には車が必要です。高齢化率も高い地域です。また私は法人の代表取締役でもあるので、自分の考えで物事を進めることができる環境です。このブログはこのような条件を前提に書いたものなので、形態が違うステーションには当てはまらないこともあるかもしれません。

 らふえる訪問看護ステーションは2019年の9月で8年目を迎えました。たったそれだけの経験年数で、何を偉そうなことを言っているかとお叱りを受けそうですが、設立以来、多くの失敗もありましたので、経験を語ることで皆様のお役に立てれば幸いです。

 

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