らふえる訪看ICT活用日記

訪問看護業務ICT化について日々の実践から綴ります。

コロナ感染拡大の背後にある在宅医療崩壊にも気づいて欲しい

今日は外出自粛で一日家にいた。テレビでは朝からコロナ関係の報道が流れていたが、感染者の急増に伴う医療崩壊の話題が強く訴えられていた。

病院の医療崩壊は深刻な問題だと思うが、訪問看護に従事している者としては在宅医療はどうするんだというモヤモヤが広がるばかりだ。

訪問看護の利用者にはバルンカテ管理が必要な人もいる、自力で便を出せない人もいる、自宅で看取りの時期を迎えている人もいる。独居で認知症がある人には私たちがお薬をセットしてあげないとちゃんと服薬できず状態が悪化してしまう。インスリン注射が必要な人もいる。感染が蔓延しても訪問看護のニーズが減ることはない。

けれども訪問看護は地域内を動き回るので、どこで感染するかわからず、訪問看護師がウィルスを運んでくると警戒され、しばらく休止してほしいという連絡も増えてきた。

訪問看護ステーションでは、自分たちが感染源にならないように、看護師同士の接触を減らす働き方を工夫したり、訪問回数や滞在時間を減らしているが、仕事量の減少は経営を直撃している。緊急事態宣言が出れば利用者をトリアージし訪問を縮小しなければならないし、さらに職員に感染者が出れば営業休止せざるを得ない。訪問件数の減少は収入の激減につながる。コロナ感染が収束するまでに、経営基盤が脆弱な訪問看護ステーションは持ちこたえることができるだろうか?

コロナ感染が起きる前は在宅医療はわが国の重要課題として扱われ、訪問看護はその要だと期待されていたはずなのに、今は消毒用エタノールも確保できず、マスクは手作りで、やっと国から配布されたのは感染防御力が全くない布マスクが1枚ずつ・・・(訪問看護ステーションは医療機関のはずだが・・・?)。

我が国の高齢化と介護の問題はコロナ感染拡大に影が薄くなっているようだが、現実は深刻な問題として遷延している。コロナ感染による医療崩壊の背後で、在宅医療の崩壊が進行していることにも気づいて欲しい。