らふえる訪看ICT活用日記

訪問看護業務ICT化について日々の実践から綴ります。

コロナ対策:直行・直帰のノウハウ④ 訪問スケジュールの伝達は?

訪問看護活動の要となるのはスケジュール管理ではないでしょうか。

約束の時間に看護師が来ることが、利用者の安心となり、信頼につながるのです。

ホワイトボードに日々のスケジュールを書きだし、朝のミーティングで確認してから、訪問に出かけて行くというのが、多くの訪問看護ステーションのやり方だと思います。直行・直帰だと、職員は今日のスケジュールを確認できないので、なんらかの方法で伝える必要が出てきます。

この訪問スケジュールは厄介者で、しょっちゅう変更があります。この変更もタイムリーに伝えなければなりません。

らふえる訪問看護ステーションでは、独自に開発したソフトを使っていますが、以前はEXCELで1週間ごとのスケジュールを作成し変更がある度にMCSにアップしていました。この仕事は管理者にとって、大変な作業ですがMCSを活用すればタイムリーに変更が伝達できると思います。ホワイトボードを写真にとってMCSにアップすることもできます。職員には訪問の合間にMCSにアクセスする習慣をつけてもらうことも必要です。

コロナ感染対策で職員に直行・直帰させる場合、管理者は司令塔としてなるべくステーションにいるべきだと思います。スケジュールの変更も増えるかもしれないし、職員がどこで感染者に接触するかもわかりません。緊急に訪問先を変更するなどの対応も必要です。ステーションに司令塔がいるから、職員は安心して直行・直帰できると思います。

コロナ対策:直行・直帰のノウハウ③ コミュニケーションに不可欠なスマホ

ライフワークバランス目的ではなく、コロナ感染のリスク回避のために訪問看護を直行・直帰で実施しなくてはならない状況で、何からお伝えすればいいのか私自身も整理がつかないので、思いつくまま書いていきます。

直行・直帰ではコミュニケーションの仕組みを考えないと、職員の不安、ストレスが増すと②で書きました。コミュニケーションにはインターネットができるモバイル機器(スマホタブレット)が不可欠です。

らふえる訪問看護ステーションでは、職員全員に業務用スマホを配っています。通信料は1台あたり月5000円程度です。しかし、この緊急時に業務用スマホを契約するのは大変なので、個人のスマホまたはタブレットでも大丈夫です。ただしガラ系携帯はMCSやLINEが使えません。

ここで気になるのが、セキュリティです。②でも書いたように、MCSはデータはクラウド管理なので、手元のデバイスにはデータは存在しません。スマホにはロックをかけ、ID、PWの管理をキチンとすれば個人情報がもれる心配はありません。

職員をMCSに登録する方法ですが、らふえる訪問看護ステーションでは仕事専用のメールアドレスをgmailで作成して、このアドレスでMCSにスタッフ登録し、アクセス時のIDとしています。(つづく)

 

コロナ対策:直行・直帰のノウハウ② コミュニケーションの工夫

新型コロナウイルス感染拡大予防のために、人々が物理的な距離を取らざるを得ない状況の中で、ICTは人と人をつなげる役割を果たしています。

直行・直帰による孤独感はコミュニケーションを工夫することで、その問題はほとんど解決します。

らふえる訪問看護ステーションは、メディカルケアステーション(MCS)、LINE、メール(PCまたは携帯)、電話などあらゆるコミュニケーション手段を使っています。今すぐかつ確実に伝えたい場合は電話、個人情報を含まない業務連絡はLINE、時間のある時に見てもらえばいい程度のものはMCS、個人的な相談はメールやMCSの「つながり」という具合に情報の内容や緊急度に応じてコミュニケーション手段を選択しています。特にMCSは全体に情報が伝わるので便利です。

らふえる訪問看護ステーションでは、電子カルテを導入していないので看護記録も含めあらゆる情報をMCSに投稿し全員で情報を共有しています。

MCSはいつでもアクセスできるため、夜中でもアクセスする人がいます。家庭を持っている看護師は「主婦は家事が一段落するとMCSを見てしまう」と言います。これを容認していると仕事とプライベートの区別がつかなくなり、さらに情報を見逃したらという不安からストレスが生じます。

投稿すると時間が記録されるので、内容が仕事に関する場合は時間外勤務となります。社労士の話では時間外手当を支払わなければならない場合もあるとのことです。

そこで、らふえる訪問看護ステーションでは、夜の8時から翌朝5時までMCSのアクセスを禁じています。

MCSのようなICTはセキュリティを心配される方もいると思いますが、情報はクラウドに保管されているので、手元にあるスマホやPCに個人情報などのデータは存在しません。MCS専用の職場のパソコンやタブレットを準備しました・・・という話を聞きますが、それはナンセンス。クラウドのサーバーを管理しているMCSの運営会社がしっかりセキュリティ管理をしているので大丈夫です(ただし世の中100%安心はありませんが)。手元にあるデバイスでどこでも、いつでもアクセスできなければ意味ありません。IDとPWの管理さえきちんとしていれば大丈夫です。

テレビで外出禁止令が出ている海外のことを報じている横で、このブログを書いています。パンデミックによる首都閉鎖・・・東京の話?茨城県は大丈夫?闘いはこれからだ!

 

コロナ対策として直行・直帰を始めるためのノウハウ①

新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、職員同士の接触を少なくするために、直行・直帰にしたいがどうすればいいのかというお問い合わせが、いくつかありましたた。そこで緊急対策として直行・直帰をお考えのステーション管理者のために、いくつかのノウハウをお伝えしたいと思います。

らふえる訪問看護ステーションでは、数年にわたり直行・直帰という働き方を模索してきました。この働き方はメリットもデメリットもあり、単に自宅から仕事に行けばいいという考えでは上手くいきません。

けれども、新型コロナウイルス感染拡大のために多くの職場で在宅勤務となっている現状で、訪問看護ステーションが直行・直帰を取り入れるのは、利用者を守る手段として取り組む価値があると思います。

直行・直帰は朝、職場に出勤しなくてもいいし、仕事が終わったら家に帰るので、ライフワークバランスがとれる夢のような働き方と思われていますが、実際は大変ストレスフルな働き方でもあります。コロナ対策のために急に直行・直帰にした場合、職員にはさまざまなストレスが生じることを管理者は予測しなければなりません。

訪問看護という仕事は、一人で利用者宅に赴きケアを提供するので、とても孤独な仕事です。しかし朝仲間とミーティングし、仕事が終わったら報告し合うことで、不安も解消します。直行・直帰だと顔を合わせるコミュニケーションが希薄になり、ちょっとした失敗が自信を失うことにつながりかねません。

直行・直帰を円滑に進めるためには、あらゆるコミュニケーション手段を使う工夫が必要です。(つづく)

 

 

新型コロナウイルス感染症拡大に直行・直帰という働き方で利用者と職員を守る!

しばらくブログをサボっていましたが再開します。

さて、書込みをしなかった2ヶ月の間に世界中がこんなに変わってしまうなんて思いもよりませんでした。新型コロナウイルス感染症の報道を見ていると、社会のシステムが崩壊していくようで不安になります。

 

この嵐の中で、訪問看護ステーションも戦わねばなりません。

らふえる訪問看護ステーションでは、ICTを導入してきましたが、今その効果が発揮できています。

普段から直行・直帰で仕事をしていますが、2月以降、職員がステーションに立ち寄るのは必要最小限にするようにしています。

訪問看護師はどこでウィルスに遭遇するかわからず、また利用者は重症化リスクの高い高齢者ばかり・・・。

直行・直帰の徹底により、職員間の濃厚接触機会を減らすことは、利用者を守ることにもつながります。

スケジュール管理はTELESA、情報交換はMCSを活用しているので、今までと変わりなく業務が出来ています。

 

過去の歴史を見ると感染症まん延が社会のシステムを変えたという事実があります。

学校が休みになったためインターネットで子供たちが授業をうけたり、在宅勤務のためネット会議が開かれたり、世の中でICTが活用され浸透しています。医療現場でも遠隔医療を、現実的課題として考える時が来ているのではないでしょうか。

感染症により人々が物理的距離を置かなくてはならないことは、とても不幸なことだと思いますが、距離を置きながらもしっかりつながるシステムをICTは提供しているのだと思います。

1月のふれあい茶屋笑み気分

1月24日のふれあい茶屋笑み気分では書初めをしました。

講師は若いころ書道の先生をしていたKさん。

Kさんは書道だけでなく茶道、華道、着付けとなんでも得意だったのですが、認知症が進行し、講師を引退していました。認知症カフェで講師を務めることで笑顔を取り戻すことができました。

 

 

らふえるの基本理念「喜・自・知・支」

 

 

質の高い実践ができる看護師・理学療法士を育成するために、らふえる訪問看護ステーションは基本理念として4つのキーワード「喜・自・知・支」を掲げています。これに当てはめると、らふえるが求める人材像が明確になります。ちなみに「ki・ji・chi・shi」のiを強調して発音すると笑顔になります。

 

 喜:喜びをもって仕事に取り組み仕事を楽しむ余裕がある。

 自:自立(自律)心があり自分を大切にして心身の自己コントロールができる。

 知:いつも好奇心、探求心が旺盛で知的向上心がある。

 支:他者を支えることで自らの役割を知り同時に支えられていることに気づく。

 

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 らふえる訪問看護ステーションが求める職員像を要約すると、自立心と知的向上心があり協調性があって仕事を楽しむ余裕を持っているということになります。中でも私が最も重視しているのは「自」です。訪問看護のプロフェショナルとして自信を持ち自立してほしいと日頃から職員には伝えています。