らふえる訪看ICT活用日記

訪問看護業務ICT化について日々の実践から綴ります。

直行・直帰で働く時のコミュニケーション

直行・直帰で一番問題になることがスタッフ間のコミュニケーションです。

朝のミーティングがないので、一日の仕事の計画はひとりで考えなければなりません。

訪問先で困ったことがあっても、すぐに相談することもできません。

解決方法としては、メールやSNSのようなコミュニケーションツールを使うことです。

らふえる訪問看護ステーションでは、メディカルケアステーション(MCS)という医療介護専用SNSを活用しています。職場内だけでなく、医師やケアマネ、薬剤師など地域連携にも使えます。患者本人や家族も利用可能。とても便利なツールですが、なんと無料!

MCSを利用してから、ミーティングを開催するよりもスタッフの情報量は増えているように思います。

 

https://www.medical-care.net

 

 

直行・直帰では訪問予定はどうやって確認?

訪問看護では、利用者宅に訪問するスケジュール表がないと仕事ができません。しかも、キャンセルや変更は日常茶飯事でスケジュール表は1日のうちでも何回も変更されます。

直行・直帰を始めたころは、管理者がエクセルでスケジュール表を作成し、これをクラウドにのせて、職員のパソコンやスマホで確認できるようにしていました。但し、変更があるたびタイムリーに更新することが困難でした。手作業なので入力ミスはないかと、1日中、暇さえあればスケジュール表とにらめっこしていました。

そこで、スケジュール管理をIT化できないかと、プログラマーに相談して開発したのが業務管理ソフトTELESAです。開発には2年以上かかりました。このソフトにはスケジュール自動作成機能もあるので、1ヶ月分のスケジュールは前後の手作業を含めても1~2時間程度で完了。その後は、いつでも、どこでも、だれでもスマホタブレットで訪問予定の変更ができるようになっています。キャンセルなどの情報を得た職員が、その場で変更入力を行います。訪問先で予定変更の希望が出た時も、ステーションに持ち帰ることなく、その場で利用者の都合を聞きながら変更できます。職員全員の目で見ているので、入力ミスも早期発見、直ちに修正でき、信頼性の高いスケジュール表となっています。朝、ステーションに出勤しなくても、1日のスケジュールの確認ができるのは、このソフトのお陰です。

スケジュール表を共有するということは、職員全員の動向が把握でき、自分が担当していない利用者の訪問状況もわかるので、ステーションの運営に管理者だけでなく、全員で関わるという意識が根付いてきました。急に予定がキャンセルになった時に、「からだ空いたけど、手伝おうか?」とケアが多くて大変そうな訪問先に、自主的にヘルプに入ったりすることもできます。そして、管理者はスケジュール管理から解放され、今まで後回しにしていた仕事もできるようになりました。

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ふれあい茶屋笑み気分 11月

毎月、第4金曜日に公民館で、ふれあい茶屋笑み気分を開催しています。
市の委託事業です。
今月はパステル画で年賀状を作りました。
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後半は楽器が得意な参加者さんと看護学生さんの共演ミニコンサートで、みんなで秋の歌を歌いました。
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訪問看護を地域に根付かせるためには、このような活動にも積極的に取り組む必要があると思います。

直行・直帰のデメリット

直行・直帰のお話の続きです。

訪問先に自宅から出向いて、仕事が終わったらそのまま帰宅してもいいよ、と言われると、とても魅力的な職場のように思われるかもしれません。

しかし、朝だれとも打ち合わせせずに、一人で情報収集して計画を立て、利用者宅へ出向くというのは、訪問看護の経験が豊富で自信満々でない限り、とても不安なことではないでしょうか?ただでさえ訪問看護は単独行動で孤独な仕事なのに・・・。

また、経営側からみると直行・直帰は勤務時間をフル活用して、訪問件数を増やすことが可能ですが、こんなことされたら働く側にとっては訪問件数をこなすことに追われくたくたになってしまうかもしれません。

 このように、訪問看護に直行・直帰を導入してみたらメリットだけでなくデメリットもあり、決して「夢の働き方」とは言えないことがわかりました。そこで問題を整理してみると4つの課題が見えてきました。

  • 管理者や職員同士のコミュニケーションが希薄になる=職務連携の課題
  • 日々変更が多い訪問スケジュールの伝達が難しい=日々の業務運営の課題
  • 業務報告と情報の共有が難しい=情報共有の課題
  • 職員の業務動向が見えない=勤怠管理の課題

らふえる訪問看護ステーションではICTを積極的に活用して、これらの課題を解決してきました。

改善と改革の違い

働き方改革という言葉が、とても安易に使われているように感じる。

残業を無くすとか、有給を必ず5日取らせるとかは、単なる働き方改善。

現実はサービス残業が増えたという愚痴となる。

 

働き方を改革するには、仕事のやり方や役割分担の見直しから変えることが必須。

なぜ改革するのか、目的、目標も職員のコンセンサス無しでは絵に書いた餅となる。

全てハッピーな改革はあり得ないのだから、痛みも伴う。

 

職員自身もライフスタイルの何処に価値を置くか、ちゃんと考えないとライフワークバランスの取り方がわからない。働き方改革は当事者の意識改革から取り組まなくてはならないということです。

 

らふえるは、真の働き方改革を模索中です。

 

 

 

 

 

 

 

 

直行・直帰のメリット

訪問看護における直行・直帰とは、朝、ステーションに通勤せずに自宅から利用者宅へ直行することであり、1日の訪問スケジュールが終了したら、そのまま自宅に帰るという働き方のことです。訪問のない時間の待機場所も自由なので拘束感が少なく、一見夢のような働き方のように思われますが、この働き方が経営者や管理者と職員双方にとってメリットとなるためには、いくつかのハードルをクリアする必要があります。

 

 経営者・管理者側のメリットとして考えられることは・・・

  • 営業時間を時間いっぱい使って定時訪問を組めるので、一日の訪問件数を増やすことができる。
  • ステーションに出勤する交通費を節約できる。
  • ステーションに人が集まって来ないので広い作業スペースが必要なく、家賃、光熱費などが節約できる。
  • 直行・直帰だと自分の車を使うことになるので、営業車を保有する必要がなく、その経費が節約できる。
  • ライフワークバランスが保てるので退職者が減り雇用が安定し、就職希望者も増え、ステーションの規模を拡大することができる。
  • 職員の自宅を中心に訪問先を決められるので、ステーションから遠いところまで営業範囲を拡大し、契約数を増やすことができる。

 職員側のメリットとして考えられることは・・・

  • 朝、あわただしく出勤しなくてもよい。
  • 1日の訪問スケジュールが終了したら、そのまま帰宅できるので保育園や塾の送迎に無理がない。
  • 日中の待機時間は自宅に戻って作業したり、休憩時間にあてることができる。
  • ライフワークバランスの調整が上手くいく。
  • 気分的に拘束感がない。

(つづく)

らふえる訪問看護ステーションの一日の始まり(直行・直帰制)

11月11日月曜日 午前8時30分 始業開始のらふえる訪問看護ステーションの様子です。

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週明けの朝というのに、だれもいません・・・

らふえる訪問看護ステーションでは直行・直帰制を導入しているので、朝のミーティングはいたしません。

朝、メディカルケアステーションという医療介護専用SNSで、管理者が一日のスケジュールと業務に関する伝達事項を発信します。訪問予定はTELESAという業務管理システムでどこにいても確認できます。

これまでに、訪問時間や訪問先を間違えたというようなミスはなく、利用者に関する情報交換も緊密に行われています。

直行・直帰の経験者は、これは決して楽な仕事の仕方ではないと言います。各人が自分に必要な情報を収集し、一日の仕事の段取りを行なわなければなりません。プロとしての自覚と信頼関係によって実現する仕事の仕方だと思います。

 

それにしても、朝は管理者が1人だけ出勤しているので、ちょっと寂しい(?)