らふえる訪看ICT活用日記

訪問看護業務ICT化について日々の実践から綴ります。

訪問看護報告書の作成:SNStで実現する効率化と質向上

 3月になりました。2月は29日までしかなかったので、月末書類の作成に忙しい思いをされたのではないでしょうか? らふえる訪問看護ステーションでも、月末書類作成の時間は少なかったのですが、それほど慌ただしい思いもせず、職員の超過勤務も発生しませんでした。

 これも、Smart Nurse Stationで書類作成の効率化を図ったお陰です。今日は訪問看護報告書作成のお話をしましょう。

 らふえる訪看でもかつての訪問看護報告書は、時間と労力をかけた割には、何を言っているのかわからない文章でつづられていることが多く、その難解で感情移入も混じる文章を点検する作業はとても大変でした。どうせ、主治医は読んでないよね・・・と、点検作業も手を抜きがちとなっていました。

 けれども訪問看護報告書は、私たちの実践を記述するもので、相手が読むかどうかに関わりなく、きちんと作成しなければならないものだと思います。

 Smart Nurse Stationは、訪問看護活動をPDCAサイクル(看護過程)で展開し、各段階で入力された情報の転記により、報告書類が作成されるという構造になっています。つまり、質の高い実践をしていれば、報告書類にそれが反映されるのです。

 基本的に報告は、問題リストの各問題について、目標と達成状況という3つの要素で構成されます。これは「訪問看護報告書」「毎月の看護・リハビリの概要」「情報提供書」など報告書関連各書類のフォーマットに転記されるので、この3要素が「看護・リハビリ過程展開」に日ごろから入力されていれば、月末に慌てなくても書類が作成されます。

 出来上がった報告書類の点検ポイントは

  1. 3要素が矛盾なく関連性をもっているか(目標が問題の解決目標となり、その達成状況が示されているかなど)。
  2. 3要素の中に、先月と比較した当月の利用者の変化が反映されているか(問題リストの変更、目標の変更など)。
  3. 利用者の尊厳に配慮した表現になっているか(利用者も読むという理由だけでなく、活動全体に利用者中心という概念が定着する)。
  4. 看護だけがわかるような用語を用いず、利用者や多職種が理解できる表現になっているか(地域・多職種連携において看護がリーダーシップをとるためにも必要)。

 従来のように長い文章を作成する必要もなく、点検も3要素をみればいいので効率的です。また上記4点で修正すべき箇所があれば、PDCAを逆にたどって修正するので、訪問看護活動全体の整合性がとれてきます。整合性がとれるということは、チームで看護を行う上で重要なことで、皆が同じ視線で統一された技術提供ができるようになる。つまり看護の質が上がるということです。

らふえるの災害時BCPは?

最近、外に出る仕事が無い日は災害時BCP作成に専念。能登半島地震の状況を見ていると、あれも、これもと盛り込んでしまう。発災後、職員の安全を守りながら、早期に訪問を再開するためには・・・考えても、考えてもきりがない。さらに、らふえる訪問看護ステーションとして、近隣の地域住民にできることもあるはず。何ができるか、できないのか・・・実際に災害が起きてみないとわからない事も多いが、ひとつでも想定外の状況を減らしたいと思う。

また、ご無沙汰しました。

研究会を設立し、ブログの名称も変更したのに、また投稿が滞ってしまいました。

言い訳になりますが、この秋は本当に忙しかった。訪問看護のICTによる効率化に関する講演をいくつか行い、看護学校で在宅医療に関する講義をし、本業ではスタッフの病休カバーで訪問も行い・・・そこそこ充実していたかな?

SNStのお問い合わせも、少しずつ来ているので、来年はきちんと対応できるように頑張ります。

年の瀬、仕事納めの日に、言い訳ばかりのブログで申し訳ございません。

文書類の作成と点検 ① 情報のリンクにより作成も点検も効率的に

Smart Nurse Stationは、利用者の全体像を入力し問題リスト(多職種連携に配慮し「介入が必要な状態のアセスメントシート」と表現)を含む「フェイスシート・アセスメントシート」および「看護・リハビリ過程展開」に入力された内容が「訪問看護計画書」、「訪問看護報告書」などの文書類に転記される仕組みとなっています。これにより、文書作成の効率化を図るだけでなく、一貫性のある文書作成が可能となっています。

この仕組みは、文書作成だけでなく、管理者やチームリーダーの文書点検作業も効率的に行うことが出来ます。

らふえる訪問看護ステーションでは、スタッフが「訪問看護計画書」、「訪問看護報告書」などを25日ごろまでに完成させチームリーダーがその点検作業を行うのですが、今月は、訪問予定が詰まっていて、リーダーも忙しいという理由で、管理者の私が行なっています。すべてチームリーダーに任せるのではなく、時には私も全体の看護展開の状況を確認することも必要だと思います・・・が、SNStで作成した記録は、表現が明確なのでわかりやすく、スタッフの考え方に感心したり、成長が見えてきたりで、とても楽しい作業となっています。

 

 

 

急な退職者が出てもあわてない。

10月末に、夫の転勤のため看護師2人が退職となり、さらに、長期間病休者が発生し、訪問スケジュールの大幅な見直しが必要になりました。

具体的にどのように調整すればいいのかを明らかにするために、Smart Nurse Stationで11月と12月分の訪問予定のマッチングをしてみました。作業時間は15分程度。

3人が抜けることによって、訪問できない利用者がすぐわかり、調整計画の目途も立ちました。

欠員が複数でるということは、もともと職員数の少ない訪問看護事業所にとっては、大打撃です。でも、Smart Nurse Stationで、すばやく訪問困難箇所が見える化できたことで、この危機状態を乗り切ることができると思います。

 

孫に聞かれた、おばあちゃんの夢

高学年になり、勉強する意味に悩んでいる孫から「おばあちゃんの夢は何?」と聞かれ、「日本中の訪問看護師さんがハッピーになることかな?」と答えてみた。

孫の反応は「ふ~~ん」だったけど、大風呂敷と言われても、夢というものは、そういうものなのです。

そして、何歳になっても、おじいちゃん、おばあちゃんになっても、夢を持ち続けていいんです。

だけど、孫よ、夢を夢で終わらせないためには、夢を目標に変えて行動しなければならないのだよ。

訪問看護支援アプリTELESAをSmart Nurse Stationに変更して一歩踏み出します。

今年1月、らふえる訪問看護ステーションが開設当初より取り組んできた働き方改革(ICT活用による直行・直帰制の実現)が、日本看護協会から「看護業務の効率化先進事例アワード2022」の特別賞をいただきました。これまで身内だけで使ってきた訪問看護支援アプリTELESAを、もっと多くの訪問看護ステーションで業務の効率化に役立ててもらえないかと考えている中での受賞でした。

受賞後、全国からのお問い合わせもあり、いよいよ後に引けなくなりまして、この度、TELESAをSmart Nurse Station(SNSt)に改名して、運営法人として「一般社団法人訪問看護サポートシステム研究会(VNSS)」を設立しました。

詳しくは、法人(VNSS)のHPをご覧ください。http://vnss.site/

このブログ(いままで3日坊主でしたが)では、らふえる訪問看護ステーションにおけるSmart Nurse Stationを中心としたICT活用状況を、時には失敗談も含めてご紹介していきたいと思います。